田舎暮らしをしたい人、二拠点生活・移住を考える人の中で古民家がブームになっています。YouTubeでも盛んにアップされていたり、気になりますよね?
「田舎で古民家に住みたい」「リノベして暮らしたい」と検索している方も多くいます。
でも実際に古民家で暮らすには、思っている以上に現実と向き合う必要があります。
僕たち自身は古民家に住んではいませんが、森の中でゼロから家をセルフビルドして暮らす中で、古民家に通じるリアルもたくさん見えてきました。
また、これまで古民家を求めるお客さまとも接してきて感じることがあります。
この記事では、古民家の魅力と現実、そしてもうひとつの選択肢「自分で小さく暮らしをつくる」可能性についてお伝えします。
「古民家を探しているが、ピンとくる物件が見つからない」「田舎暮らしにあこがれているけど不安が多い」「暮らしを自分の手でつくることに興味がある」「リノベ済み物件ではなく、余白のある選択肢を探している」
そんな人のお役に立てばうれしいです。
なぜ今、田舎×古民家が人気なのか?

移住希望者や田舎暮らしを夢見る人たちの間で、「古民家に住みたい」「DIYで直して住みたい」という声をよく聞くようになりました。
たしかに、古民家には独特の魅力があります。昔ながらの梁や土間、囲炉裏、縁側といった風情。薪ストーブも憧れですよね。
自然の近くで、季節の移ろいを感じながらのんびり暮らすイメージは、都会の忙しい毎日に疲れた心に響くものがあります。
ですが、そのイメージだけで突き進むと、思わぬ落とし穴が待っていることもあるのです。
古民家のリアル「安く手に入る」は幻想かも?

「田舎なら家がタダ同然で手に入る」といった言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。実際、数十万円〜で売られている古民家もあります。
けれど、大切なのは「買った後、どう住めるか」です。
たとえばこんなケースがあります。
- 残置物の量がハンパなかった
- トイレが汲み取り、水道が通っていなかった
- 土台や柱が傷んでいて、住める状態にするには数百万円以上かかる
- 屋根は雨漏り、かけかえで大きな出費になった
- 水回りが旧式で、配管からやり直す必要がある
- シロアリ対策という思わぬ事態になった
- 断熱ゼロで、冬は冷蔵庫のような寒さになった ・・・
家には最初のぱっと見だけではわからないことがたくさんあります。素人は見落としてしまいますよね。
田舎の物件あるあるに、「管理放棄」「境界不明」「インフラ不備」というものがあります。実はこれらは家づくりをしていく上では致命傷な要素です。
一方、内見に立ち会うと、「Youtubeでやっているみたいにできるよね」「片付けなんて自分で少しずつやればいいよね」といった声もよく耳にします。
そんなときは、「うん?ちょっと待って!そんなに安易に考えないでくださいね・・・」と伝えます。
リノベーションの費用は、想像以上に高額になりやすいです。「安く買って、DIYで直せばいい」と思っても、土台や構造の劣化はプロの力が必要なケースも多く、途中で挫折する人もいます。
古民家は「古き良き」だけでなく、「古くて大変」がつきまとうことを忘れないようにしましょう。

自分で一軒の家を建てたので、家の構造がどれだけ重要で大変なことかは痛感しています。
古民家が合う人、合わない人の違い


じゃあ古民家はやめた方がいいのか?というと、そうとも限りません。大切なのは、その人の価値観や目的に合っているかどうかです。
では具体的に、古民家に合う人、合わないかもしれない人をいくつかの視点で整理してみますね。
古民家が合う人
- 歴史的価値や味わいを大切にしたい
- 古いものを直して使いたい
- 自分の手で少しずつ直すのが楽しい
- 手間と時間とコストをかけて自分の暮らしをつくっていきたい
- 冬の寒さも“風情”として楽しめる
合わないかもしれない人
- すぐに快適な生活を始めたい
- 他人のものの片づけはしたくない
- 寒さや虫が苦手
- 暖かさや水回りの快適さを重視したい
- 工事や修理はやりたくない、時間がとれない
かといって、最初からどちらかに振り分ける必要もありません。たとえば虫が苦手はよく聞く話、都会に住んでいれば当たり前です。実際住み始めるとだんだんと慣れてくるものです。
そこでおすすめしたいのはまず体験です。ネットや頭の中で考えていても実際のところはわかりません。「泊まってみる」「通ってみる」「直してみる」など段階的にやれる方法いくらでもあります。
決していきなり購入というやり方に走らないことをおすすめします。
もうひとつの選択肢「自分で暮らしをつくる」という発想


僕たちは実際、古民家を選ばずに「森を開拓して、自分たちで小さな家を建てる」選択をしました。
それは、何もないところから自分たちの手で暮らしをつくるというチャレンジでもありました。
最初はどこまでできるのか不安もありましたが、
- 間取りや広さを自分たちの今に合わせることができた
- 素材や工法も自分たちを基準に選べた
- 暮らし始めたときの快適さと愛着は、何にも代えがたい
「家を建てるなんて自分には無理」と思うかもしれませんが、小さな家なら、「自分のペースで少しずつできる」というのが実感です。



建築費が高騰している中、「自分でつくる」はぜひ選択肢に加えてほしいですね。必要なのはやる気と根気です。
ゼロから建てることで、「不便」ではなく「自分にちょうどいい暮らし」を実現できました。
古民家の味わいにはない「自分の暮らしにぴったり寄り添った快適さ」を見つけることができます。
小さく建てるからこそ、暮らしの自由が生まれる


僕たちが建てたのは、大きな家ではありません。むしろかなり小さめです。1000坪弱の森に小さな木の家と離れアトリエ。広い森は自分の庭、日々妄想しながら少しずつ手を入れていっています。
暮らしに本当に必要なものを見極めながら、必要な分だけ建てて、使って、整えているという感じです。
小さくつくれば、コストも手間も抑えられます。「全部自分では不安・・・」という場合は、DIYで始めてプロと組み合わせて進めるのが現実的でしょう。
- 維持費、光熱費がミニマムに
- 掃除の手間がかからない
- 暮らしに無駄がない、コンパクトに暮らせる
- 自分たちで手を入れるよろこびがある
まだまだ現在進行形ですが、こんな成果になってきています。
家に住むのではなく、自分の暮らしがあって、家、離れ、庭がその出口の一つひとつのような感覚。「建てる=暮らしをデザインする」体験が得られたと実感しています。
古民家か?セルフビルドか?選ぶ前に考えてほしいこと


どちらが正解ということではありません。古民家には古民家の良さがあり、セルフビルドには自由と創造があります。
古民家暮らしも、自分で建てる暮らしも、「暮らしをつくる」という意味では同じです。
大切なのは、「自分はどんな暮らしをしたいのか?」という問い。
その答え次第で、選ぶべき道は変わります。焦らず、無理せず、自分のペースで“暮らしづくり”の旅を始めてみてください。
体験してみたい方へ|森の暮らし体験、やってます


古民家暮らしや田舎移住に興味がある方にこそ、ぜひ体験していただきたいのが「自分でつくる森の暮らし」です。
- 静かな森の中でただ過ごしてみる
- 焚き火を囲みながらボーっとしてみる
- 自分の手で木を削り、何かをつくる
- 「この暮らし、いいかも」と感じる自分と出会う
そんな体験から、理想の暮らしが少しずつ見えてくるかもしれません。体験プログラムや土地相談も行っていますので、興味がある方はぜひ気軽にご連絡ください。
まとめ


「古民家っていいな・・・」と思ったあなたへ。
もしかしたら、その憧れの奥にあるのは「自分で暮らしをつくってみたい」という気持ちなのかもしれません。
その思い、大切にしていいです。
そしてその先に、古民家だけではない「あなただけの選択肢」がきっとあります。
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