森の土地や中古物件を探している人から、実はよく聞かれる質問があります。
「これって、誰に頼めばいいんですか?」
木が伸びている→伐採屋さん? 駐車場をつくりたい→造成屋さん? 水道を引きたい→水道屋さん?
浄化槽って…→浄化槽屋さん? 給湯器が壊れた→設備屋さん? 漆喰を塗りたい→左官屋さん?……。
街の暮らしなら、なんとなく探せます。でも、森では「そもそも、誰に聞けばいいの?」となります。
僕自身も、最初は何も知りませんでした

今でこそ、「それなら、あの業者さんに相談してみましょう」と言えます。
でも、最初から知っていたわけではありません。
森を買い、開拓し、家をつくる中で、一つずつ経験してきました。
水道工事をする。電気を引く。浄化槽を入れる。
建物を建てる。伐採する。造成する。
そして、失敗する。(笑)
そのたびに、「次はどうすればいいんだ?」とネット調べ、人に聴き、専門家に教えてもらいました。
そうして少しずつ、地域の職人さんとのつながりもできていきました。
「給湯器から水が漏れています」

例えば中古物件の見学で、こんなことがあったとします。
「ここ、水漏れしていますね。いくらくらい掛かります?」
僕は設備屋さんではありません。だから、修理費をその場で断言することはしません。
でも、「これは一度、設備屋さんに見てもらいましょう」と判断して、信頼できる業者さんに相談できます。
現地を見てもらい、見積りを取る。必要なら修理する。
当たり前のようですが、森暮らしの初心者にとっては、この「誰に頼むか」が大きな壁になります。
「漆喰、自分で塗れますか?」

これも訊かれます。
僕たちは実際に自分で塗りました。もちろん、職人さんのようにはいきません。
でも、「素人でもできますよ」とは言えます。
どんな下地に塗るのか。材料をどうするのか。どんな道具がいるのか。どのくらい時間と外間が掛かるのか。
実際にやったから話せることがあります。
「落ち葉、どうしています?」

これも森ならでは。
僕は、落ち葉をごみとは考えません。
丸太で囲って、そこに集める。見た目も自然。時間が経てば腐葉土になる。
森では、街の暮らしとは違う「片付け方」があります。
僕が全部やるわけではありません

ここは、誤解してほしくないところです。
僕は、伐採の専門家ではありません。造成の専門家でもありません。
水道工事の専門家でもありません。電気工事もできません。建築士でもありません。
だからこそ、必要なところでは専門家にお願いします。
僕の役割は、「何が必要なのかを一緒に考えること」そして「必要な人につなぐこと」
さらに、「その仕事が本当に必要なのか一緒に考えること」だと思っています。
森暮らしの「司令塔」になりたい

森で暮らすということは、いろんな専門家のお世話になります。
でも、暮らす人が全部の専門知識を身につける必要はありません。
医者に行くとき、患者が医学を全部勉強していく必要がないのと同じです。
必要なときに必要な専門家に相談すればいい。その「必要な専門家につなぐところ」まで一緒に考える。
それができれば、森暮らしはずっと安心になります。
だから、こんな相談でいいんです

「この木、伐ったほうがいい?」「駐車場、どこにつくる?」「浄化槽ってどこ?」
「ここに家、建てられる?」「斜面って使える?」「落ち葉、どうする?」
「この中古物件、買って大丈夫?」「そもそも、森で暮らすって大変?」
こんなことで大丈夫です。
むしろ、僕はこういう「まだ質問になっていない疑問」を一緒に整理することが大切だと思っています。
森の暮らしは知らないことだらけです。僕自身もそうでした。
だからこそ、「わからないことがあったら、まずこの人に訊いてみよう」と思ってもらえる存在でありたい。
森を買うことがゴールではありません。森で暮らし始めてからもいろんなことが起きます。
そのときに、「大丈夫、一緒に考えましょう」と言える人がいる。
それだけで、森暮らしはずいぶん心強くなると思っています。

