「この家、いいですね」
中古の森の家を見学していると、最初はみなさん建物を見ます。間取りは?お風呂は?キッチンは?リフォームは必要?
でも、森の中の中古物件では、もう一つ見ておきたいものがあります。
「木」です。
家の周りにどんな木が生えているのか。そして、その木がこの先どうなるのか。
「この木、屋根に掛かってますけど大丈夫?」

先日も、そんな質問がありました。屋根のすぐ近くまで木が伸びています。
「これ、伐ったほうがいいんですか?」
こういうとき、僕はまず木を見ます。
樹種は何か。枯れていないか。傾いていないか。根元はどうなっているか。
枝が屋根に触れているだけなのか、倒木したら建物に当たる位置なのか。
同じ「家の近くの木」でも、対応は変わります。
僕は自分の森フィールドを開拓する中で、実際に何十本も伐採してきました。
アカマツ、コナラ、ニセアカシア……。
チェンソーで伐るだけなら簡単そうに見えますが、実際にはそうではありません。
木が倒れる方向。周囲の木との関係。斜面。電線。建物。そして「かかり木」。
僕自身、森を開拓伐採してきて、かかり木には何度も悩まされました。
そこでチルホールを導入したら、作業の安全性も効率も大きく変わりました。
だから、お客様から、「この木、どうしたらいいですか?」と聞かれたら、
「伐採業者さんに聞いてください」だけでは終わりません。
まず現場を見て、「これは専門業者さんにお願いしたほうがいいですね」「この程度なら剪定でいけるかもしれません」「ここは建物との距離を考えて早めに対応したほうがいいですね」
とまず一緒に考えます。
そして必要なら、信頼できる伐採業者さんにつなぎます。
「じゃあ、いくらくらい掛かります?」

ここも、森の土地では大事なところです。
同じ一本の木でも、
- 木の高さ
- 太さ
- 傾き
- 周囲の状況
- 重機が入れるか
- 倒した木をどうするか
によって費用は大きく変わります。
だから「一本○万円です」と簡単には言えません。
現場を見てもらって実際に見積りを取る。これが基本です。
ただ、僕自身が伐採を経験しているので、「これは大変そうだな」「この木は重機が必要になるかもしれない」というおおよその難易度を現場で想像することはできます。
この「最初の見立て」があるだけでも、森の暮らし初心者にはずいぶん安心だと思うのです。
木は「邪魔なもの」ではありません

もう一つ、森の物件を見るときに大切にしていることがあります。
「伐ること」だけを考えないこと。
例えば、この土地にはヤマザクラがあります。だったら、「春はこの木を眺めながら朝ごはんを食べられそうですね」と考える。
コナラがあれば、「夏は木陰ができるので、ここにベンチを置いたら気持ちよさそう」と考える。
アオダモが育っていけば、「何年か後にはここは素敵な庭森になりそう」と考える。
森の土地は、木を切って更地にすればいいわけではありません。
残す木、手を入れる木、伐る木。
そのバランスを考えることが、森の暮らしづくりだと思っています。
森の物件は「今」だけを見ない

中古物件を見るとき、「今、どうなっているか」だけではなく、「5年後、10年後にどうなるか」を見る。
これが森の物件では特に大切です。
木も成長します。草も伸びます。落ち葉も積もります。家も傷みます。
だから僕は、物件を紹介するときに「この家はいくらです」という話だけではなく、「ここをこうしたら、こんな森の暮らしになりそうですね」というところまで一緒に考えたいと思っています。
森で暮らす。それは土地を買って終わりではありません。
そこから始まる暮らしを、一緒につくっていくこと。
「この木、どうしたらいい?」そんな小さな疑問からでも大丈夫です。森のことならまず相談してください。

