7,000万円の家を買う前に知ってほしい「もう一つの暮らし方」

森のある暮らし

ニュースをみていると、都市部の地価がまたまた上がったとの話。住まいは郊外へ流れている様子。

そうこうしながら、たまたま、ある家探しの記事を読みました。

希望は都心へのアクセスがよくて緑が見える場所。

総予算は7,000万円、土地にかけられる予算は3,000万円。候補にあがった土地は30〜40坪ほど。

もちろん、これはその人にとっての大切な人生の選択です。

どこに住むか。どんな家に住むか。どんな暮らしをしたいか。

正解なんて、人それぞれです。

それでも、読み終わったあと、僕の中にひとつの疑問が残りました。

「家って、本当にこんなにお金をかけないと豊かな暮らしはできないんだろうか?」

そしてもうひとつ。

「僕たちは、あまりにも選択肢を知らないまま、家を買おうとしていないだろうか?」

目次

「緑が見える家」が欲しい

森のある暮らし

記事を書いた人が求めていたのは、おそらく「都会そのもの」ではありません。

仕事がある。友人がいる。生活に便利。都心へ出やすい。

その一方で、窓から緑が見える。自然を感じながら暮らしたい。

そんな願いなのだと思います。

これはよくわかります。ただ、そこで僕は思うのです。

「だったら、もっと緑の中に入ってしまう…という方法もあるんじゃない?」と。

都会から少し離れる。駅からも少し離れる。その代わり土地を広くする。

家を小さくする。隣りの家との距離をたっぷり取る。

窓の外に「緑が見える」のではなく、家そのものを森の中に置く。

そんな選択肢もあります。

7,000万円と3,000万円

森のある暮らし

たとえば、僕が暮らしている長野県小諸の森周辺では、100坪を超える土地が数十万円で手に入ります。

もちろん、すべての土地がそうだという話ではありません。

道路や上下水道、傾斜、樹木、建築条件など、土地には一つひとつ事情があります。

だから「地方なら安い土地がいくらでもある」という単純な話でもありません。

でも、都市部とはまったく違う感覚で「自分の森を持つ」という選択肢が現実に存在しています。

たとえば、土地に100万円。伐採造成する。小さな家を建てる。無垢の木を使う。既製品をできるだけ減らして、こだわり造作をする。

広い庭をつくる。畑をつくる。木を伐る。薪をつくる。デッキをつくる。

少しずつ、自分たちの暮らしを育てていく。

土地がリーズナブルな分、これだけやってもざっくり3,000万円で収まります。

もちろん、家の大きさや仕様によって予算は変わります。

でも、発想を変えれば、「家に7,000万円をかける」以外にも人生のお金の使い方はある。

僕はそう思っています。

土地30坪と土地200坪

森のある暮らし

30坪の土地と、200坪の土地。数字だけを見ると約7倍です。

でも暮らしてみると、その違いは単なる面積の違いではありません。

30坪なら、「ここに家を建てて」「ここに駐車場をつくって」「ここに植木を植えて…」と土地の使い方を最初からかなり決めることになります。

一方、広い土地には、「まだ何も決まっていない」という余白があります。

ここが僕は面白いと思っています。

最初から完璧な家を建てなくてもいい。最初は小さな小屋だけでもいい。庭の一角を畑にしてもいい。木を一本だけ伐って、そこから景色をつくってもいい。

朝、森を歩いて、「ここ、気持ちいいな」と思ったところにベンチを置く。

夕方、「ここからの景色がいいな」と思ったら、そこにデッキをつくる。

暮らしながら、土地のことがわかってくる。土地がわかってくると必要なものがわかってくる。

そして、必要なものだけをつくっていく。僕はこの順番がけっこう好きです。

「完成した家」を買わない

森のある暮らし

一般的な家づくりは、土地を探す→家を設計する→建てる→完成→そこから暮らし始めるという流れです。

でも、森の暮らしは少し違ってもいい。

土地を手に入れる→まず通ってみる→歩いてみる→木を見る→土を見る→朝と夕方で景色を見る→雨の日にも行ってみる。

少し草を刈ってみる→一本だけ木を伐ってみる→「あれ?ここ、いい場所だな」と気づく→そこから家のことを考える。

僕自身、森を開拓してきて、つくづくそう感じました。

土地を買った瞬間に、暮らしの答えが決まっているわけではない。

むしろ土地と付き合いながら、「自分たちは何をしたいんだろう?」が少しずつ見えてくる。

家を完成させることより、暮らしをつくっていくプロセスのほうが面白いと思っています。

「地方には仕事がない」は本当だろうか

森のある暮らし

ここで、必ず出てくる話があります。

「でも、地方じゃ仕事がないでしょう」

確かに、ひと昔前はそうだったのかもしれません。でも今は少し事情が違います。

リモートでできる仕事も増えました。会社員を続けながら二拠点生活をする人もいる。週の一部だけ都市部で働く人もいる。

地方の会社で働く方法もある。小さな商いを始める人もいる。自分の経験を使って仕事をつくる人もいる。

僕自身、会社を辞めてから、ずっとそんなことをやってきました。

もちろん、誰でも簡単にできると言うつもりはありません。

収入の問題もある。家族の事情もある。子どもの学校もある。介護もある。地方ならではの不便もあります。

だから、田舎に来れば幸せになれますよなんて言いません。

ただ、「仕事がある場所に住む」のではなく、「暮らしたい場所から仕事を考える」

という順番があってもいいんじゃないか。そう思っています。

都会を捨てなくてもいい

森と街の二拠点生活

そして、ここは大事なところです。

僕は「都会を出よう」と言っているわけではありません。

いきなり移住する必要もありません。会社を辞める必要もない。家を売る必要もない。農業を始める必要もない。

最初は、月に一度森へ行ってみる。

それだけでもいいと思っています。

都市のマンションに住みながら、地方に小さな土地を持つ。

週末に通う。畑を少しやる。薪をつくる。木を一本植える。仕事は今まで通り続ける。

そして、数年かけて「こっちで暮らす時間を増やしてみようかな」となるかもしれない。ならないかもしれない。

それでいい。

二拠点生活は、移住の予行演習ではありません。それ自体がひとつの豊かな暮らし方です。

「豊かさ」の物差しを変えてみる

森のある暮らし

都会で暮らしていると、駅から徒歩何分、築何年、何LDK、駅まで何分、都心まで何分、土地はいくら、建物はいくら・・・そんな数字で家を比べることになります。

でも、森で暮らし始めると別の物差しが出てきます。

朝、窓を開けたときに鳥の声がする。雨が降ると土の匂いがする。庭で採れたものを食卓に並べる。

夕方、妻とデッキに出て森を眺めながら一杯やる。薪を割る。木を眺める。何もしない。ただ時間が過ぎていく。

これらは不動産広告の設備には書けません。

でも、暮らしの豊かさって、案外こういうところにあるんじゃないか。

森の暮らしを数年やって、僕はそう思うようになりました。

人生の後半だからこそ、選択肢を増やしたい

森のある暮らし

僕は60歳を前にして、森を開拓し、小さな家をつくり、そこで暮らし始めました。

若い頃の僕だったら、こんな暮らしを想像すらしなかったと思います。

会社員として働いて、組織の中でもがいて、独立して、仕事をつくって。

人生も後半に入り、そのときそのときこれかな?と思うことをやってきました。

そして行き着いた先が森でした。

だから今、僕が伝えたいのは「田舎に移住しましょう」ということではありません。

もっと単純です。

「こんな暮らし方もありますよ」と伝えたい。

知らないまま選ぶのと、いろんな選択肢を知ったうえで選ぶのでは、人生はずいぶん違うと思うからです。


家を買う前に、暮らしを考えてみる

森のある暮らし

7,000万円の家が悪いわけではありません。

都会の便利さには、都会でしか得られない価値があります。

家族の事情もある。仕事の事情もある。人それぞれです。

だから僕は、「都会より地方が正解」とは思いません。

ただ、「家をどうするか」の前に「どんな人生を送りたいか」を考えてみてもいい。

そう思います。

満員電車に乗る時間を減らしたい。朝、鳥の声で目を覚ましたい。庭で野菜をつくりたい。家族とゆっくり食事をしたい。

仕事は続けたい。でも働く場所は変えたい。自分で小さな仕事を始めてみたい。

木の家に住みたい。何もない時間を持ちたい。

そんな願いがあるなら、もしかすると、駅に近い30坪の土地」だけが答えではないかもしれません。


僕は、森からもう一つの選択肢を見せていきたい

森のある暮らし

僕のところには、まだ使われていない土地があります。長い間、人が暮らしていなかった土地もあります。

木が生い茂っている土地もあります。傾斜のある土地もあります。

一見すると、「こんなところに家を建てるの?」と思うような土地もあります。

でも、歩いてみると、「あ、ここなら面白い暮らしができそうだ」と思える場所がある。

土地は、家を建てるためだけのものではありません。

その土地でどんな時間を過ごしたいか。そこから考えてみる。

そして、土地に合わせて家を考える。暮らしながら、少しずつつくっていく。

そんな選択肢を僕は実際の森や土地を歩きながら、これから伝えていこうと思っています。


「もっと小さく、もっと自由に」

森のある暮らし

もしかすると、これからの時代に必要なのは、もっと大きな家でも、もっと便利な場所でも、もっと高価な設備でもないのかもしれません。

自分にとって、本当に必要なものは何なのか。

それを一度、考え直してみること。

土地は100坪でもいい。家は10坪でもいい。

毎日そこにいなくてもいい。仕事を辞めなくてもいい。

完成していなくてもいい。少しずつ、自分でつくっていけばいい。

僕は森に来て、「人生って、こんなに自由に組み立て直していいんだ」と少しずつ思うようになりました。

だから、もし今、「このまま今の暮らしを続けていいのかな」とほんの少しでも感じているなら。

いきなり何かを変えなくてもいい。まずは知らなかった選択肢を見てみてください。

都会に住む。その反対側に森に住む。だけではありません。その間には二拠点で暮らす。小さな家を持つ。地方で働く。都市の仕事を続ける。

土地だけ先に持つ。少しずつ家をつくる。自分で仕事をつくる。森を持つ。

そんなたくさんの暮らし方があります。

僕はこれから、そんな「もう一つの選択肢」を実際の森と土地からお見せしていきます。

家を買う前に。人生を決めてしまう前に。

一度くらい、森の中から自分の人生を眺めてみてもいいんじゃないでしょうか。

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