「もし、今の家に住めなくなったら?」から考える二拠点生活

大雨のニュースを見る。地震のニュースを見る。

「大変だな……」と思う。

でも数日もすると、いつもの暮らしに戻っている。たぶん僕たちはそういうふうにできています。

毎日の生活がありますから、ずっと災害のことを考えているわけにはいきません。

ところが、ふと思うことがあります。

もし、今住んでいる家が突然使えなくなったら、あなたはどこへ行きますか?

目次

「避難所」しかないという現実

大雨で自宅が浸水する。地震で建物が損傷する。土砂災害で道路が通れなくなる。ライフラインが止まる。

自宅に住み続けることが難しくなったとき、まず思い浮かぶのは避難所でしょう。

もちろん、避難所は大切な場所です。

でも、もし自分や家族が、そこではなく、「少し離れた場所に、もう一つ行けるところがあったら」どうでしょう。

親戚の家でもいい。子どもの家でもいい。ホテルでもいい。

そしてもう一つ、自分たちの小さな家がある。

そんな選択肢があったら、ずいぶん違うと思うのです。

「二拠点生活」という言葉が急に違って見えてくる

二拠点生活というと、どうしてもこんなイメージがあります。

「自然の中に別荘を持つ」「週末は森でのんびり」「薪ストーブのある家で暮らす」「お金に余裕のある人のライフスタイル」

たしかに、そういう二拠点生活もあります。

でも、僕が考えているのは少し違います。

もう一つの場所を持っておく。

それだけです。

豪華な別荘でなくてもいい。大きな家でなくてもいい。まずは土地。

そこに最低限のコンパクトな住まいをつくる。

普段は月に一度、二度と通う。

畑をやってもいい。木を伐ってもいい。本を読んでもいい。何もしなくてもいい。

そして、いざというときには、「ここへ行けばいい」と思える場所がある。

これも二拠点生活の一つではないでしょうか。

だから僕は「土地を先に持つ」という考え方をしています

二拠点生活というと、「家を建てるのは大変そう」「別荘なんて高い」「そんな余裕はない」と思うかもしれません。

そこで、順番を逆にしてみます。

いきなり家を建てなくてもいい。

まず、自分たちのもう一つの場所を確保しておく。

たとえば、100坪、150坪、200坪・・・

都会では考えにくいような広さの土地が地方の別荘地なら数十万円で手に入ることもあります。

もちろん、土地にはそれぞれ条件があります。

道路、水道、電気、排水、地形、災害リスク、建築条件など。

だから「安ければいい」という話ではありません。

でも、「土地は何百万円、何千万円もするもの」という固定観念から一度離れてみると、見えてくる選択肢があります。

最初から完成した家を持たなくてもいい

土地を買ったからといって、すぐに立派な別荘を建てる必要もありません。

小さな小屋でもいい。10坪程度のコンパクトな住まいでもいい。

必要最低限の水回りと寝る場所。

あとは少しずつ、自分たちでつくっていく。

最初は「泊まれる場所」。次に「長く過ごせる場所」。

そのうち、「ここで野菜をつくろう」「ここにベンチを置こう」「友だちも泊まれるようにしよう」となっていく。

家が完成してから暮らしが始まるのではなく、

土地を手に入れたところから暮らしが始まる。

僕は、この順番が面白いと思っています。

そして、たぶん「災害対策」だけでは終わらない

ここが、この話の面白いところです。

最初は、「万が一のために、もう一つ場所を持っておこう」だったとしても。

月に一度、そこへ通うようになる。

すると、森の中でコーヒーを飲む。草を刈ってみる。小さな畑をつくる。季節の野菜を収穫する。

何もせず木々を眺める。都会では思いつかなかったことを考える。仕事のことを少し離れて考える。夫婦でゆっくり話す。

そうやって通っているうちに、「災害のための場所」だったはずが、「ここに来ること自体が楽しみな場所」になっていく。

僕は、これが二拠点生活の面白さだと思っています。

「逃げる場所」が「帰りたい場所」になる

森の暮らし

災害への備えというと防災グッズ、非常食、水、モバイルバッテリー、家具の転倒防止。

もちろんどれも大切です。でも、もう一つ考えてみてもいい。

「場所」の備えです。

今住んでいる家が使えなくなったとき、「どこへ行こう?」ではなく、「とりあえず、あそこへ行こう」と思える場所がある。

これは、かなり大きな安心ではないでしょうか。

しかも、その場所が普段から使われていれば、水道はどうなっているか。電気はどうか。道路はどうか。家の状態はどうか。周囲には何があるか。

実際に通っているからこそわかることがあります。

「非常時だけの場所」ではなく、普段から使っている場所だからこそ、いざというときにも使える。

災害が起きてから考えるのでは遅い

災害が起きた直後は、みんな考えます。

「備えなきゃ」「いつ何が起きるかわからない」「家族で避難場所を確認しておこう」

でも、しばらくすると日常に戻る。これは仕方のないことだと思います。

だからこそ、「防災のために何かを買う」だけではなく、

普段の暮らしそのものに、備えを組み込んでしまう。

二拠点生活なら、それができます。

「災害に備えるために毎月森へ行く」ではなく、「森へ行く暮らしを楽しんでいたら、結果として災害時のもう一つの居場所にもなる」

この順番です。

「二拠点なんて、自分には関係ない」と思っている人へ

森の暮らし

僕自身、二拠点生活を始める前は、「森に家を持って暮らす」なんて、特別な人の話だと思っていました。

でも、実際にやってみると、もっと単純でした。

大きな家はいらない。豪華な設備もいらない。最初から完璧にする必要もない。

まず土地がある。そこへ通う。少しずつ手を入れる。小さな家をつくる。そこで過ごす。

そうしているうちに、自分たちの暮らしができていく。

そして気がつけば、「ここがもう一つの我が家なんだな」と思えるようになる。

「いつか」ではなく、土地だけでも先に。

災害は、いつ起きるかわかりません。だからといって今日から大きな別荘を買う必要はありません。

まずは、「自分たちならどこへ逃げる?」と考えてみる。

今の家から離れた場所に、「もう一つの居場所をつくるとしたら?」と考えてみる。

そして、その候補になる土地を探してみる。

土地だけ先に持っておく。家は後からでもいい。小さくてもいい。自分たちでつくってもいい。

もしかすると、これは「防災」ではなく「暮らしの保険」なのかもしれない。

保険は、何も起こらなければ使いません。

でも、二拠点の場所は違います。何も起こらない毎日でも使える。

週末に行ける。季節を楽しめる。畑ができる。木と向き合える。本が読める。夫婦でのんびりできる。

そして万が一のときには、「ここがある」と思える。

そう考えると、二拠点生活はぜいたくな暮らしではなく、「これからの時代の暮らしの選択肢の一つ」として考えてもいいのではないでしょうか。

僕は、そんなふうに考えるようになりました。

あなたなら、どこへ逃げますか?

森の暮らし

もし今住んでいる家が突然使えなくなったら、家族と一緒にどこへ行きますか?

その答えがまだないなら、まずは「もう一つの場所」を探すところから始めてもいい。

それが結果として、自分と家族を守る場所になり、人生を愉しむ場所にもなる。

そんな二拠点生活があってもいいと思うのです。

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